雪が降っている。
白い霞のなかに、小さな自分を見た気がした。
遠い昔の干渉が帰ってくる。
あのひとを
泣いて泣いて泣いて信じた。
この結晶の一粒一粒がきっと
汚れることを知ってなお振り続けるのをやめない真っ白な気持ち
なのだろう
あのひとはそんな白い絨毯を
踏みにじって足跡をつけてかき乱して
そして無邪気に笑うんだ
一番乗り、ってね
『春を待つ雪』
望みは溶けて消えゆくこと